誠-巡る時、幕末の鐘-
「それこそガキ扱いじゃないですか。嫌ですよ」
「お前、自分の名前や主の事を悪く言われると理性忘れるだろ?」
「当然」
前科が最早数えたくなくなる程ある奏は自覚はしていた。
「総司も近藤さんのことを悪く言われると手がつけられやしねぇ」
「へ〜。………で?」
「は?」
思わぬ奏の切り返しに唖然となる土方。
「僕が一緒に行きますよ。丁度暇ですし」
「うげっ!!」
(噂をすれば何とやらか!?
昔の奴も上手いこと考えたな)
振り向いた先には奴…沖田がいた。
「絶対嫌だ。…響、行くぞ!!」
「わわっ!!」
奏は急いで響の手をとり、駆け出した。