誠-巡る時、幕末の鐘-
―――市中
「まずは甘味を食べよう」
「はいっ!!」
奏と響は近くにあった甘味処に入った。
「団子四本にお茶二杯」
注文したものがすぐに運ばれてきた。
「ありがとうございます。……これ美味しいです!!」
響が幸せそうな顔で店の女将(オカミ)さんに言った。
「ゆっくりしていってなぁ」
女将さんはニコニコしながら店の奥に戻っていった。
好感をもたれる、感じのいい女将だ。
(それにこの甘味もなかなか……いや、今まで人間が作ったのを食べてきた中で一番美味しいな。
明日から甘味はここのにしようっと)
奏がそう考えていた時、急に響が思いついたように声を上げた。
「みなさんのお土産にしましょう!!」