誠-巡る時、幕末の鐘-
「あぁ。でもまずは父親探しが先だ。重い物を持ったままだと疲れるからな」
「そうですね。そうしましょう!!」
女将に夕暮れ時にまた来ることと土産のことを告げ、二人は甘味処から出た。
「食い意地張ってる奴らばかりだからな」
「でも料理のしがいはありますよ。みなさん美味しい美味しいって言ってくれますし」
「言い過ぎじゃないぞ? 確かに美味しい。料亭の料理みたいだ」
「それこそ言い過ぎですよ!! でも…奏にそう言ってもらえると嬉しいです!!」
響の料理は確かに美味しい。
江戸でも料理を作っていたのだろう腕前は存分に発揮されていた。
おかず大戦争が勃発する程に。
食事の時間は大広間は戦場だ。