脇役の王子様


そして、6時過ぎ。
俺らバスケ部は、芽吹家についた。

「ただいまー。」

「おかえり。」
朱梨は、明らかに真岬の姿を見て、笑顔になった。


「「「お邪魔しまーす。」」」

あれ…、なんだなんだ~?
こいつら普段はこんなに礼儀正しくないぞ。靴までそろえてるし。

そして、オレには聞こえてしまった。
「やべえ。芽吹の私服姿かわいくねっ?」「やっぱり?だよな。いつもより色気がある!」「マジあんな可愛い妹いたら、俺ぜってえシスコンになるわ。」とか言ってんだけど。

はぁ……。みんな朱梨へのポイント稼ぎかよ。

まあ、確かに朱梨のやつ、ミニスカなんかはいちゃって、太ももまで見えてる。なんでこんなカッコしてんだよ~。男来るってわかってんじゃん!

そんなことを言われている張本人は…、真岬しか見てないみたいだけどな。

真岬は「…ちわっす。」だってさ。
…他のやつにはいつもどおりの真岬に見えるだろうけど、オレには分かる。

今、めちゃめちゃカッコつけてる!

うわあああ。もう何だよ、みんなして。何なんだ、これ。
すっげえイライラする。朱梨に対するこいつらの行動が、兄としてムカつく!


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