脇役の王子様


そんな気持ちだったけど、表情に出ないように抑えて、リビングに入った。

「あ、みんなオツカレ~」って未琴が出迎えてくれた。

おお!!み、未琴もずいぶん気合いはいってんな…。
学校で見るより、ずっと大人っぽい…。未琴って美人だよな。


優助は「うわあっ!びっくりした。なんで野沢がいんの?」って、驚きながらも嬉しそう。

猛アタックしてるのに、未琴は全然気づかねんだよなー。
一途な優助を応援したくなる。


「なあなあ、朱梨。今日のメニューは?」
…って、匂いでなんとなくメニューは分かっちゃったけど、朱梨との親しげな会話をバスケ部の連中に見せつけたくなって話しかけてしまった。

そんなオレの行動が気に食わなかったのか、あいつらは、早くカレーが食いたい!って言い出した。

朱梨は、カレーをよそって、迷うことなく最初に真岬に手渡した。

なんか、すごい屈辱感。毎日一緒に暮らしてんのになあ。

……

なんでオレ2番目なんだよ。
なんで朱梨、ずっとニヤニヤしてんだよ。
優助、未琴にデレデレしすぎ!
真岬も、かっこつけすぎじゃね?…気のせいか?
そんで他のやつら、朱梨を変な目で見るなああぁッ!!


…はぁ、なんでオレ朱梨のことになるとこんなにイライラして、ムカつくんだろう。

朱梨…
なんで、真岬なんだよ。オレで良いじゃん。


この気持ち、やっぱ、シスコンなのか?
それとも、まさか……


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