脇役の王子様


「あれ?朱梨って基瀬が好きなわけ~?」
「何だよ~、未琴は知らなかったのかよ~
こいつ、結構前からずっと真岬一筋なんだぜ。」
「ちょっ…やめてよ。違うもんっ!」


…基瀬 真岬(もとせ まさき)。
架と同じバスケ部員。雰囲気は子犬みたいにちっちゃくて可愛い感じ。
だけど、運動神経抜群で顔はかっこいい。
絶対モテると思うんだけど…女子と話してるのは見たことがないんだよね。
架とは高校に入ってから知りあったらしいんだけど、結構気があったみたいで、よく家に遊びに来たりしてる。
でも、架みたいに「主役」っていうよりは、「脇役」のほうかなあ。


…違うって言っちゃったけど、本当はすごく気になってる。

でも、「好き」っていう感情よりも、なんてゆーか…
どんな人なのか知りたい、って感じかな。


「どうせだし、暇なら未琴も来れば?」
「えっ!マジ?良いの?」
「おう!朱梨もいるしさっ!」
「…朱梨も、私が行っても良いっ?」
「うん、もちろんだよ!
私も男の子ばっかりより未琴ちゃんがいてくれたほうが嬉しいし。」
「じゃあ、決まりだな!6時ぐらいには家に来いよ?」
「ありがとう。超嬉しいッ!」

未琴ちゃん、本当に嬉しそう。
…私の勘だけど、本気で架が好きなんだと思う。

架のこと、よく楽しそうに私に話してくる。
今日はバスケ部の朝練見れちゃった!とか
架にシャー芯もらっちゃった!とか、とっても幸せそうなんだよね。

そんな未琴ちゃんを見ていると、私まで嬉しくなっちゃうし、応援してあげたいなって思うんだ!

まあ…私は兄弟だから、恋愛感情とかそーゆうのはないけど、確かに架はいいやつだとは思うし、モテる理由も分かるかな…。


そーいえば…
架ってモテるけど、好きな子とか彼女とかいないのかな?

未琴ちゃんと架かあ…
未琴ちゃん美人だし、すっごくお似合いだなぁ。


「「さっきからなんでニヤニヤしてんの~?」」



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