脇役の王子様

私のニヤニヤに対する未琴ちゃんと架の指摘の声がぴったり重なった。


「お。ハモったー!!未琴、すげえなっ!俺ら!(笑)」
「う、うん!まあ、偶然じゃん?」

とか言いつつ、未琴ちゃんの顔は真っ赤。
やっぱり架のことが好きなんだろうな。


「あはは、2人とも息ぴったりだね~」
「まあな!…んで、お前はなんでそんなにニヤニヤしてんだよ~」
「内緒~♪」
「朱梨ってば、まーた基瀬のことかあ?(笑)」
「だ、だ、だからっ…!基瀬くんのことはっ…」
「もー照れんなって~」
「そーだよ。あたし、相談乗るよ~?」
「うんうん!朱梨、お前は良い友達を持ったな。兄ちゃんは嬉しいぞ!」


―キーンコーンカーンコーン…
あっという間に昼休みが終わるチャイムが鳴った。

そして、5時間目も6時間目も終わり、放課後。

「じゃあ、よろしくなー!」

私にそういって、架は元気に部活に行った。

そして未琴ちゃんも
「5時には行くから、待ってて!」ってスキップで帰っていった。

現在、4時05分。架たちが帰ってくるのは6時過ぎ。
未琴ちゃんが来る前に急いで夕飯を準備しちゃおう。

今日は、お父さんもお母さんも仕事でいない。
うちは共働きで、2人とも同じ有名レストランで働いてるんだ!
だから、夜も家にいないことなんてしょっちゅうある。

小さいときはちょっぴり寂しかったけど、それでも架がいたから平気だった。
2人で宿題をやって、2人でご飯を食べて・・・架と協力しながら育ってきたから。


そんなわけで、私と架は自然と料理がうまくなったんだ。

「よし!」
今日のメニューは、定番のカレー!
あと、みんな疲れてると思うから、甘いデザートを一品。

今日こそ基瀬くんと話してみたいな。


――ピンポーン…

そんなことを考えているうちに、未琴ちゃんが来たみたい。

「はーい!」
ガチャ…


「しゅ…朱梨!変じゃない!?変じゃないかなあ…?」

「えっ?」

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