脇役の王子様

最初は、何のことだか分からなかったけれど、どうやら服装について聞いているらしい。

よく見てみると、未琴ちゃんは白いロングワンピースに短い丈のデニムのベストを着ていた。
細く白い腕が、半そでの先から見える。
パッチリ二重の目は、まつげがくりんとカールされていて、少しマスカラをしているみたい。頬には淡いピンクのチークが塗ってある。

もともと大人っぽい未琴ちゃんはさらに一段と大人っぽく見えて、色気も出ている。

すらっと背が高くて足が長い未琴ちゃんには、とってもよく似合っていた。

「モデルさんみたいだよっ!!すごく可愛い!」

「ほ、ほんとに!?」


いつもはお姉さんキャラで、私にアドバイスをくれる未琴ちゃんが、不安そうに何度も確かめてくる。なんだか可愛い///


未琴ちゃんは、「あたしは自分が“脇役”でも“エキストラ”でも何でもいい」って言ってたけど・・・私的には十分、クラスのアイドル、いわゆる「主役」のほうだと思う。
みんなから慕われてるし、面倒見も良い。そー考えると、架と未琴ちゃんって似てるなあ。


「わあっ!良い香りがする!」
玄関からリビングへと移動した未琴ちゃんは、「おいしそ~」という声を連発してくれた。

そして、今日あったことやオシャレの話、恋バナをしていたら、あっという間に時計の針は6時をさしていた。

「ふう~。間に合った、間に合った♪」

無事にカレーは完成して、あとはデザートのプリンを冷やすだけ。
みんながカレーを食べている間には、出来上がるかなっ!

「架たち、疲れて帰ってくるんだろうね~」って未琴ちゃんがそわそわしている。


・・・

聞いてみたいな、架への気持ち!
よし。

「未琴ちゃん。」
「ん?」
未琴ちゃんはクッキーを食べている。

「架のこと、好き・・・だよね?」

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