脇役の王子様
しーん…
あれれ?
一瞬未琴ちゃんが固まった。
「やっぱ朱梨にはバレちゃってたかぁ…」
や、やっぱり!
あれが恋する乙女ってやつね♪
「でも…私なんかがあんな“人気者”に恋してても、玉砕するのは目に見えてるよ。」
ええっ!
「そんなことないよ!」
「ライバルもたくさんいるだろうし。」
「いやいや、でも…」
ガチャ。
「ただいまー。」
あ、帰ってきた。
バスケ部のみんなもいる。
…基瀬くんも!
「おかえり。」
「おう!朱梨、もう準備大丈夫?入ってもいいか?」
「うん、バッチリだよ!」
「さすがオレの妹!さんきゅ。」
「「「お邪魔しまーす!」」」
みんな元気がいいなあ…。
そして礼儀正しい!
靴まできちんと向きをそろえていった。
みんなが上がってから、基瀬くんは聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で「…ちわっす。」って言ってリビングへと上がっていった。
そして、架と基瀬くん以外の4人が未琴ちゃんの姿を見て驚いている。
「あ、みんなオツカレ~」
「うわあっ!びっくりした。なんで野沢がいんの?」
「え?架が誘ってくれたからなんだけど、いちゃまずかった?」
「い、いやいやいや!ぎゃ、逆。オレ嬉し…」
「嬉し…?」
「わーーーーっ!何でもない!
何でもないから今のは忘れてくれ!///」
特に1人が、ものすごく驚いている。
・・・というか、嬉しがっているようにしか見えない(笑)。