洞穴咄〜ホラーナハナシ〜

「それってどういうことなのかしら」


スカートを最後にパンパンとはたくと、文恵は思い切り伸びをして深く息を吸い込んだ。


私も彼女に倣って深呼吸をする。鬱蒼と生い茂った木々が辺りに有る酸素の濃度を上げているようで、鼻から吸われた空気はまるで清涼飲料水のように肺を潤していく。


「さぁな。事故にもならなかったんだし、思い当たる節も無い。でも、丁度気分転換になって良かったよ」


私達は車へ戻り、それぞれの席に着いた。


「何だかまた喉が渇いちゃった」


ナビで先の道を確認してみるが、まだ暫くは一本道が続くようだ。


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