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そんな私の様子を見て「いいから聞け」と顔を寄せた。




「おかしいと思わないか?こんな時期に人事異動なんて…。それも異動になったメンツも腕利きばかりだ!」




その中に私も入っているのか?




池さんは「シゲさんがいなくなると少年課は大打撃だよ」と言ってくれたが、私にはそうは思えなかった。




私みたいな適当な人間が敏腕なはずない。




若い頃はそれなりにやる気があったかもしれないが、それも昔の事だ。




「買いかぶり過ぎだよ…。頑張ったって出世出来る訳じゃないし…。」




「いや、わからんよ?なんせ今回の事件は上が絡んでるからな!」




池さんは「出世も有り得る」と言っていたが、まぁ無いだろう。




私は池さんに曖昧な返事をして段ボールに詰め込んだ私物を抱えると、新しい部署を目指した。




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