Яё:set



研究所セクションのエレベーターの前で私は足を止めて赤井に言われた所を眺めた。



・・・なるほど・・・



「どうかしましたか?」



「いえ・・・なんでもありません。」



そう言って私たちは製薬工場を後にした。




署に戻る車の中で赤井は「怪しいですよ。」と口を開いた。



というのも、あのエレベーターは地下3階まであったからだ。



担当者は上の階の事は話していたが、地下については何も言っていなかった。



いや、わざと言わなかったのではないかと考えられる。



「駐車場は外にあったし、搬入口も見取り図の南側にありました。じゃあ、地下は何があるんでしょうね・・・」



「入口付近にあったエレベーターには地下はなかったしなぁ・・・」



どう考えても何かを隠しているとしか思えない。



確かめてみたいが捜索令状が取れるかどうか・・・



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