Яё:set



俺は家具の後ろや隙間を調べ始めた。




「暗くてよく見えないな…」




恐らくここを調べるには“灯り”が必要なんだろう。



…という事は隙間の類いは後回しか…




静かな部屋を再び歩き回る。



ギシギシと床の軋む音だけが響いた。




その音でやっと気付く。



まだ探してない箇所があるじゃないか!




俺は床に敷いてあるラグを勢い良く捲り上げた。



そこに現れたのは床下収納の扉。




俺は手に入れたカギを鍵穴に差し込んだ。




すんなりと回るカギに思わずニヤリッと口角を上げた。




恐らくこの中に懐中電灯があるはずだ。




脱出ゲームでは“カギ”と“懐中電灯”は必須アイテムだ。



床下収納の扉を引き上げて期待しながら中を覗いた。




「…アレ…?」




そこに“懐中電灯”は無かった。




代わりにあったのは一本のマイナスドライバーだった。



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