Яё:set



私にも見下して来るキャリア組に“いつか見てろ!”と躍起になっていた時代もある。




だが私はそれが無駄な事だと気付き止めた。




「所詮ヒラはヒラだ。」




「…なんか悔しいですよ…」




「仕方ないだろ…キャリア組と違って私達は出世出来ても“係長”止まりだろうしな。」




「それでも僕はアイツらを見返してやりたいっすよ!」




ホントに赤井は“青い”。




「そう思うのはお前が若いからだ。」




キャリア組も出世もどうだっていいと思うのは私が老いたせいか。




久しぶりに“若さ”を感じて私も昔を思い出す。




ずっと赤井と一緒に行動しているからかもしれない。




「やれるだけやってみるか…」




「そうっすよ!アイツらの鼻の穴、開かしてやりましょう!」




「ハハハ!そりゃ、さぞ見物だろうな。」




私につられて赤井も笑った。




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