Яё:set
赤井は当たり前のように「やりますよ!」とキッパリ言い放つ。
「まさか茂田さん、弱気になっちゃったんですか~?」
「そうじゃないが…」
自分達がしようとしている行為は危険過ぎるのだ。
それに赤井はまだ若い。
私と違って将来性ある若者が無茶をして良いのだろうか…?
そう考えてしまうとやはり躊躇してしまうのだ。
「チャンスは深夜1時の搬入ですね…。」
私は返事をせず黙ってあんパンを頬張る。
夜中の搬入時に潜入しようというのが私達の計画だ。
だが、もちろん本部長の承諾は得ていない。
だからこの潜入捜査は完全に越権行為である。
「…ミスったら何もかも終わりだぞ?」
「やだな~ミスりませんよ!」
事の重大さに気付いていないのか、気付いているけど気にしていないのか…
軽薄そうな赤井の様子に私はついつい溜め息を吐いてしまうのだった。