Яё:set
私は匍匐前進で移動してトラックの前方から這い出ると辺りを見渡した。
そこには数台の車とスチール製の大きな扉が見えた。
地下駐車場といえば地下駐車場にも思える。
だがおかしいのは何故地下に駐車場を作る必要があったのか・・・。
敷地内にあった屋外駐車場はそんなに建物から遠くはなかったし、荷物の搬入口にしたって南側の搬入口からで事足りるだろう。
私が直感的に思ったのは“誰にも見られたくないから”・・・。
・・・ビンゴかもしれない。
そう考えながら私は扉に近づいたがロックがかかっていて開かない。
仕方なく運転手が荷物を搬入するタイミングを見計らってコッソリと建物内に侵入した。
ふぅ・・・と息を着いて額から流れ出る汗を拭う。
・・・ここはどこだろうか・・・?
辺りを警戒しながら前方の壁あった見取り図に目を凝らす。
その配置から研究所セクションの下のようだ。
口笛を吹いて荷台を転がして荷物を運ぶ男は慣れた様子で廊下を進んでいった。
と、その先に鉄格子が見え、男は手前の部屋の誰かと会話を始めた。