Яё:set



何もかもが嫌になった。



親もカウンセラーも…



…そして、俺も…。



“皆、消えて無くなればいい”



そんな風にすら日々考えていた。



ズタズタに切り裂かれたソファに座る。



俺は何かにのめり込む事でそんな絶望的な現実から逃げた。



俺を支配する破壊神を呼び起こさないように…。



なのに…またアイツが…俺の破壊神が雄叫びを上げた。



“終わらせてくれ…抜け出せないこの俺を。”




“セーブ”もなんの意味も為さない。



どうせやり直すなら、俺が産まれたところからやり直したい。




視界に入ったPC画面をぼーっと見詰める。




“…電源を落とそう…”



突然そう思い、俺はPCの前に立つ。



抜け出せないなら止めてしまえばいい。



俺はキーボードを叩いてシャットダウンのコマンドを入力した。




“ゲームプレイ中はシャットダウン出来ません”



警告音とともに画面に表示された文字に俺はまた苛立つ。




俺の中の破壊神が手にしたドライバーをPCに突き立てる様子を…



頭の中のオレがただ見詰めていた。



< 17 / 146 >

この作品をシェア

pagetop