Яё:set
色んな人が色んな話をしてた。
上司の愚痴…先輩の悪口…親への不満…
他人事なのにこっちまで気分が悪かった。
そんな中、こんな会話が聞こえた。
「“運命の女神様”ってフリーゲーム、知ってる~?」
近くに居た女子高生の会話だ。
“運命の女神様”…?
「あ~!この前さっちゃんが話してたヤツ!?クリアするとどうとか…あれでしょ?」
「運命を変えられるらしいんだよね~どこで出来るんだろう…。」
「怪しいから止めなよ、そんなゲーム!」
聞いてる私も“怪しい”と思ったが、自分には関係無い事。
だけど、“運命を変えられる”っていう言葉に私は惹かれた。
“私の運命も変えられるかしら…”
ホームの向こう側に目を向けながら耳から会話が流れ込む。
「都市伝説みたいで誰もやった事ないのよね~…」
「尚更胡散臭いじゃない!」
笑いながら彼女達はホームに入って来た電車へと乗り込んで行った。