Яё:set




耳鳴りと頭痛が治まると同時に私の携帯から着信音が鳴り響いた。



彼からだった。




「…もしもし?」



「ミチ?俺…明日暇?」



「うん。」



「花火大会…一緒に行かない?」



「うん…!行く!」






“これであなたは私の物ね…。”







一人ほくそ笑み、私はPCに向かう。



スクリーンセーバーはまだカウントダウンをしている。



ゲームはまだ続いてるんだ…。



運命が変わったのにゲームは終わらない。



「ま、いっか!」



その日私は一度も参考書を開かなかった。



でも後悔はしない。




PC画面が警告音と共に切り替わる。



“選択してください


A:セーブをして次の運命を選択する。

B:セーブしないで次の運命を選択する。”



セーブは一度だけ…。



ならばここでセーブしておけば、次に間違えた選択をしても戻れるのか…。



私は少し迷ったが《B》をクリックして眠りに着いた。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇


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