Яё:set



登校途中、彼の姿を見つけて駆け寄る。



「おはよう!」



「おはよう、ミチ…」




ちょっと元気がないみたいに見えた。




何か悩みでもあるのかと聞いてみたが、「なんでもない」と繰り返し言われてそれ以上聞けなかった。




放課後、彼に「用があるから先に帰って」と言われた。



「判った」と返事をしたが朝の事もあり、私はこっそり彼を尾行した。




浮気をされた前科があるし、彼の言う“用”っていうのも気になる。



…あ、浮気をしたのはこの彼じゃないか…。




でもよく言うよね?




“浮気をする男ってまた繰り返す”って…。



彼は誰も居ない放課後の廊下を歩いて向かったのは、今は使われていない空き教室だった。




ノックをするとその部屋のドアが開き、綺麗な女の手が彼の腕を引っ張る。



ニヤニヤとだらしない顔をした彼に私は怒りを感じた。




…相手は誰…?



彼の居る教室に近付き、聞き耳を立てる。




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