Яё:set


こんなに走ったのは初めてかもしれない。



でも全然疲れないからボクはずっと“まちがいさがし”をしてた。



例えば、街の看板の色だったり、木の高さだったり色々。



ボクは「ひとつ、ふたつ…」と数えながら間違えを見つけた。



絵とか写真じゃないから凄く楽しかった!




でも、おかしな事に気付いたんだ。




それはボクが107コ目の間違えを見つけた時だった。



「ウォン先生~おかしいよ」



「何がだい?」



「最後の間違えは間違えてないよ」



そう言うとウォン先生は「素晴らしい」と言った。



「その通りだよ!間違えてない事が間違えなんだ。」



それからウォン先生は言った。




「おめでとう。君は無事次のステージに進めるよ」




ゲームでこんなに嬉しいと思ったのは初めてだった。





   ◇◇◇◇◇◇◇◇
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