Яё:set




あの日から僕は両親に会うのを止めた。



きっと理解して貰えないから…



僕の努力も、僕の進歩も先生達しか理解してくれない。



それならそれでいい。



ウォン先生は僕が必要だって言ってくれるし、それなら僕もそれに答えたい。



いつしかここに居る理由が“両親のため”じゃなくて“先生のため”に変わった。



先生は新しいゲームを開発するとすぐ僕に一番にやらせてくれた。



それに“まちがえさがし”もより難易度が上がった。




今日の手渡されたのは設計図だった。



なんの設計図かは解らないけど、地下のとある部屋に連れていかれてこう言った。




「その設計図と違う所を探せるかい?」



「やってみるよ。」




僕はプログラムの入力ミスと、配線のまちがえを見つけた。



「おお…本当だ…!君はやっぱり素晴らしいよ!」



ウォン先生がそう言って僕の肩を抱いて誉めてくれた。




僕はこれから先も先生の役に立つ人間になりたいと思った。




…けど…途中からおかしくなった。



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