Яё:set
「私、友達を探してここに来たの!」
「友達?なんて人?」
「レイジ…だと思う…」
「レイジ?…レイっておにーさんなら会ったよ。」
「今どこに居るか判る!?」
「さぁ…」
がっかりした私を見て、シンはパタパタと小さな羽を羽ばたかせて私の肩に舞い降りた。
「もしその人がキミにとって大事な人なら、きっと会えるよ。」
小さなシンに励まされ、私は俯きながら頷くしかなかった。
「これから私は何をすればいいの?」
「まず、キミは村に帰るんだ。長老が探してたみたいだよ?」
「なんで?」
「あのね、フーカ。これはゲームなの。“なんで”は禁句。行けば判るよ。」
そうか…理論的に考えなくていいんだ。
ゲームなんだし、話もきっと自ずと理解出来るだろう。
「えっと…じゃあ村に行けばいいのね?」
「そう。エルフの村は西の山の麓だよ。大きな御神木が見えるだろ?」
小さなシンの指が指す方向を見ると、確かに遥か向こうに大きな木が見えた。