Яё:set
物理攻撃がダメなら…
「目には目を。魔法には魔法をって事かしら?」
さて、ここで問題だ。
「…どうやって魔法使うの?」
「得意なんじゃないの!?」
長老が言うにはそうらしいが、実際に使った事ないし…
私は魔術師が手のひらから繰り出す火の玉をかわしながら観察する。
この魔術師もザコ敵なんだとすれば、あの程度の魔法も恐らく私は使えるんだろう。
“よし!”と意を決して私も真似して手の平を翳した。
指先が微かに冷たく感じたかと思うとポゥ…と光始めた。
私は「なんか違う」と思いつつも、無我夢中でソレを魔術師に投げつけた。
─バチバチバチッ…!
魔術師は焦げたように黒い煙を噴きながらサラサラと灰になり消えた。
「…出来た…!」
…火の玉じゃなく、雷みたいなのが出たけど、まぁ結果オーライ…かな?
ふぅと一息ついた私にシンは小さな手をパチパチと叩いて「お見事!」と笑った。