Яё:set




その後、何度か現れた敵と対峙するうちにその仕組みが判って来た。




物理攻撃が効く敵と効かない敵が居る事や、ダメージを受けるとそれなりの痛みもある事。




また、倒した敵は灰になり、たまに綺麗な石を落としたりした。




シンはこの世界ではお金の代わりにこの石を使うのだと教えてくれた。




山の東側の麓にある小さな町、“ジゼルバ”に着いたのは陽が沈みかけた夕方だった。




私は敵の落とした石が入った袋を確認するととりあえず宿屋に向かう。




「部屋、空いてますか?」




「おや、エルフとは珍しいねぇ。空いてるよ。」




私は石の価値も宿の相場も判らないので、カウンターに袋ごとドンと置いて「おいくら?」と尋ねた。




「150Zだけど…お嬢さんそんな風に貨石を出したら、ぼったくられるから気を付けないと!」




「あ…そうなの?旅慣れてないから知らなかったわ…」




人の良さそうな宿屋のおばさんは苦笑しながら貨石と言うその石を一掴み程取り出し、「まいど」と言って部屋の鍵をくれた。




「二階の角部屋だよ。それと、だいたい宿の相場は150~200Zだから覚えておくんだよ?」




私は「ありがとう」とお礼を言って鍵を受け取った。





< 82 / 146 >

この作品をシェア

pagetop