Яё:set



翌日、弓を取りに行くとその見た目の違いに驚かされた。




元々造りはシンプルだが、色々なパーツが取り付けられ重量感が増す。




なのに手にしてみると、然程重くもなかった。




「一回りでかくなっただろ?時間がもう少しあったら折り畳める造りに変えられたんだが…」




「凄い…!充分です!」




私は店内で弓を構えてみたが、以前より数段手に馴染む感じに満足した。




店主にお礼を言うと「また来いよ」と彼は口角を上げた。




「さて。出発しますか!」




シンは私の周りをくるくると飛び回りながら「しゅっぱ~つ!」と嬉しそうに言った。




しばらく歩いた所で私はピタリと足を止めた。




「…水の音がする…川かな…?」




私が長い耳をピクピクと動かすのを見て、シンは視線の先に目を凝らした。




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