Яё:set
私とレイジは夜が更けるまで話をした。
レイジはこのゲームを初めてから5日目で、既に一回セーブとロードをしてしまったらしい。
「2日目までは楽勝だったんだけど、3日目がヤバくてね…」
「私はまだ2日目。ジゼルバで弓を強化してなかったらもっと大変だったかも!」
「それを言うなら“俺に会わなかったら”…だろ?」
「そうね…レイジに会えてよかった。」
レイジはちょっと照れたように笑った。
しばらく沈黙が続いて、レイジが「俺さ」とポツリと呟いた。
私はちょっと眠くてレイジに寄り掛かりながら「なに?」と聞いた。
「前にも言ったかもしれないけど…リアルでは歩けない身体だったんだ。」
そう…確か交通事故で下半身不随だと言っていた。
「またこんなに走り回れるなんて…思ってなかった。」
嬉しそうに話すレイジに私も嬉しくなった。