Яё:set
キャンプに戻ると、私はシンが居ない事に気付いた。
ゲームを開始してからシンが居なくなるなんて事は初めてで、言い様のない不安にかられる。
レイは「俺が居るし大丈夫だろう?」とあまり気にしていなかったが、私は嫌な予感がした。
私は大丈夫でも、もしシンが捕まったのだとしたら?
確かにシンは“案内役”なのだから、パーティーが居れば旅を続ける事に問題はないのだが…。
モヤモヤとしながら私達は出発の準備に取り掛かった。
夜明け前の襲来で敵を取り逃がした崖を捜索したが、これと言っておかしな所はなかった。
滝が近くて会話もままならないくらいの轟音に私は目を細めた。
何気なく見つめていた滝だったが、一瞬その向こう側が見え私は思わず声を上げた。
「レイ!あれ見て!」
「洞窟…!?そうか、ここに逃げ込んだって訳か…!」
レイはちらっと私を振り返って「行こう」と足を踏み出した。