夏の記憶
その日も私たちは、いつものように社で二人で蝉取りをしていた。
「『おこんじょさま』でしょ。このオヤシロのなかにはいってる神様だってお母さんがいってたよ」
わたしは「どうだ」と返す。
タケルが「しってる?」
と言いだした時は、わたしの知らない知識を自慢げにしゃべりたい時に他ならない。
「ぶ~~それだけじゃありませんでした~~~」
タケルは口をとがらせて前につきだすと、生意気な顔をして笑う。
ちなみにその時の私の答えは全くはずれではなくむしろ大正解なのだけど、タケルはどうしても自分だけが正解を知っている体(てい)にしないと気が済まないみたい。
「おこんじょさまはさ、【こんじょうのわかれ】って意味なんだよ」
「『おこんじょさま』でしょ。このオヤシロのなかにはいってる神様だってお母さんがいってたよ」
わたしは「どうだ」と返す。
タケルが「しってる?」
と言いだした時は、わたしの知らない知識を自慢げにしゃべりたい時に他ならない。
「ぶ~~それだけじゃありませんでした~~~」
タケルは口をとがらせて前につきだすと、生意気な顔をして笑う。
ちなみにその時の私の答えは全くはずれではなくむしろ大正解なのだけど、タケルはどうしても自分だけが正解を知っている体(てい)にしないと気が済まないみたい。
「おこんじょさまはさ、【こんじょうのわかれ】って意味なんだよ」