夏の記憶
階段の先には
小学2年生の夏休み。
ラジオ体操の日。
あの日もわたしはタケルと手をつないだ。
ジュースの列に並ぶために走ったけど、その頃はすっかりタケルのほうが足が速かったから、わたしはタケルの後ろ姿を追って走った。
「タケル待って」
わたしが叫ぶと、タケルは足を止めてわたしの左手をつかんだ。
タケルの足は速くて、わたし達はあっという間に父兄のいる公園の端にたどり着いた。
タケルは息を切らせて笑いながらわたしのほうを振り返った。
わたしも息を切らせながらタケルを見た。
タケルがわたしになにか言いかけた時、
「うわっこいつ気持ちわりい!女子と手つないでるぜ」
それは確か4年生とか5年生の男子達だった気がする。
「うわっほんとだ気持ちわりい!!オカマなんじゃねえの!」
男子数人が一斉にタケルをはやし立てた。
ラジオ体操の日。
あの日もわたしはタケルと手をつないだ。
ジュースの列に並ぶために走ったけど、その頃はすっかりタケルのほうが足が速かったから、わたしはタケルの後ろ姿を追って走った。
「タケル待って」
わたしが叫ぶと、タケルは足を止めてわたしの左手をつかんだ。
タケルの足は速くて、わたし達はあっという間に父兄のいる公園の端にたどり着いた。
タケルは息を切らせて笑いながらわたしのほうを振り返った。
わたしも息を切らせながらタケルを見た。
タケルがわたしになにか言いかけた時、
「うわっこいつ気持ちわりい!女子と手つないでるぜ」
それは確か4年生とか5年生の男子達だった気がする。
「うわっほんとだ気持ちわりい!!オカマなんじゃねえの!」
男子数人が一斉にタケルをはやし立てた。