夏の記憶
あまのじゃく
階段を上がると、夏祭りの会場は木々に隠れてすっかり見えなくなった。
奥には大きな石碑が立っているが、暗闇の中、肉眼でははっきりとは見えなかった。
真っ暗な中に、それでも薄暗い街灯がまばらにたち、完全な暗闇までにはいたらないという印象だ。
街灯の辺りの下には、古めかしいベンチが街灯と同じ数だけぽつぽつと設置されている。
ベンチは祭りから抜け出してきた男女で埋まっていた。
わたしはそっとタケルの顔を見上げた。
タケルの横顔は、暗闇で大きな目がやけにハッキリと光っていた。
タケルはわたしの視線に気がつくと、ずっとつないでいた手をそっとほどいた。
奥には大きな石碑が立っているが、暗闇の中、肉眼でははっきりとは見えなかった。
真っ暗な中に、それでも薄暗い街灯がまばらにたち、完全な暗闇までにはいたらないという印象だ。
街灯の辺りの下には、古めかしいベンチが街灯と同じ数だけぽつぽつと設置されている。
ベンチは祭りから抜け出してきた男女で埋まっていた。
わたしはそっとタケルの顔を見上げた。
タケルの横顔は、暗闇で大きな目がやけにハッキリと光っていた。
タケルはわたしの視線に気がつくと、ずっとつないでいた手をそっとほどいた。