夏の記憶
「優奈…ねえ優奈…」


どこからか聞きなれた声が聞こえてくる。


待って…もう少し寝かせて…


「優奈…ねえ行こう」



聞きなれた女の子の声。








…梢だ



ゆっくりと瞼をひらく。



瞼は重くて、半分も開いていない気がする。


ぼんやりと視界が開ける。



制服と栗色の髪。


私を覗き込む、梢の顔。
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