夏の記憶
おこんじょさまのお社のある石畳を上がる。


ジーワジーワと蝉の鳴き声がいっそう私を包み込む。


生い茂る木々。


木々の隙間からさす日差しが、社の地面に葉の図形をゆらゆらと映し出す。


石垣の上に鎮座する小さなお社。


石垣の上には、私が両手で軽々持てるサイズのおさい銭箱。

お社の真ん中には、紫の布。その奥に注連縄。

その奥にある扉は、いつものようにおごそかに閉ざされている。



5段の階段の先にある扉を、私は勢いよく開けた。






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