夢幻-ゆめまぼろし-


「私がピアノを
嫌いなのもあるんですけど、
それ以上にピアノが
私を嫌っているんです。

受け入れてもらえない。
ダメだったんです。」



「…君は間違ってるよ。」


「間違ってないです。
これが私の出した
結論と言うものです。」


私はあふれ出しそうな涙を
グッとこらえた。


「じゃ、どうして
そんなに悲しい顔をするの?

自然と指が
ピアノを求めたりするの?

本当に嫌いなんだったら
君はココにはいないはず。

でしょ?」



その通りすぎて
何にも言えなかった。





< 23 / 28 >

この作品をシェア

pagetop