夢幻-ゆめまぼろし-
「私がピアノを
嫌いなのもあるんですけど、
それ以上にピアノが
私を嫌っているんです。
受け入れてもらえない。
ダメだったんです。」
「…君は間違ってるよ。」
「間違ってないです。
これが私の出した
結論と言うものです。」
私はあふれ出しそうな涙を
グッとこらえた。
「じゃ、どうして
そんなに悲しい顔をするの?
自然と指が
ピアノを求めたりするの?
本当に嫌いなんだったら
君はココにはいないはず。
でしょ?」
その通りすぎて
何にも言えなかった。