夢幻-ゆめまぼろし-
【優しさ、そして雨】
(PURURU…)
突然の電話。
携帯のディスプレイに
咲乃の表示。
「は、はい?」
「おねぇちゃん…。」
「…ん?」
「…元気にしてた?」
「うん。
元気だよ。」
「そっか、
なら良かった。」
涙がこらえきれずに
音を立てずに流れ始める。
咲にはばれたくない。
「お姉ちゃん、
私絶対その学校行くから。」
「お母さんが
許さないでしょ。」
「それでも行く。
絶対行く。
待っててね?」
「…うん。」
「じゃ、もう行くね。」
「うん。」
私は、最低な姉だ。