夢幻-ゆめまぼろし-
「誰…?」
突然話しかけられて
びくっとする。
「あ、えと、
14階に住むことになった
佐々木と言います。」
「佐々木さん…?」
「あの、えと、
ベランダに出たら
音が聞こえたので。」
「…。」
あー、やっぱり
帰ろうかな…。寒いし。
「こっちおいでよ。
星、見てみない?」
「え…星?」
上を見上げてみると
たくさんの星が
無数に輝いていた。
「あの、
寒いので上着
取ってきます。」
「いや、毛布あるから
使ってもいいよ。」
「あ、はい。」
私はその人の横に
ちょこんと座った。