ヤンキー君はトキメキ製造機
「じゃあ行ってくるから」
無味トーストを食べ終え、立ち上がる
「ランニング行くならゴミ出しもついでにお願いね~!!!」
キッチンから聞こえるお母さんの声
そばにあった2つのゴミ袋をつかみ
玄関の扉を開ける
ランニングは私の日課。
もう2年も続けてる毎日のトレーニング。
そのかいあってか、最近陸上部の長距離キャプテンに選ばれた。
走る事だけは好き。
自分が無になれるから好き。
乱れた靴紐を結び直し
iPodのボタンを押す。
テンポのいい曲が流れると共に走り出す。
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一通り走り終えた私は
いつものベンチに座り込む
息はきれていない
私達次期三年生はこの夏陸上部を卒業する
夏の大会をベストに持っていきたい
自分で言うのは変だけど
成績はそこそこ。
勉強は嫌いだったけど、なぜかできた。
部活は最初反対された
でも「勉強と両立するから。できるから」
この一言で両親は黙った
特別可愛い顔はしてない
特別不細工な訳でもない
なにもかも「普通」だった
恵まれてないわけじゃない
この味気ない毎日を
ロボットのようにこなして
年をとって死んで行くんだって
それが運命(さだめ)なんだって
そう思ってたから・・・・・・・