私の秘メゴト (仮)
『んー見事な飛びっぷり。』
ポカンとしている彼女に近づく。
『大丈夫かい?お嬢サン。』
しゃがんで聞く。
「!…あ、ありが…とう・・ごさい、ます」
ポロポロと涙がまたでてくる。
『怖かったね。ごめんね、もう少し早く来ていたら…こんなことにはならなかったのに。』
ぽんっ と頭を撫でる。
一瞬ビクッとなった。
『クス…僕は君がさっき見ていた男達じゃないよ?
…第一、女だしね。』
最後は耳に近づいて言う。
「え?」
クスリと笑ってもう一度耳に近づいて言う。
『この事はキミと僕だけのヒミツ。いい?あ、だけど僕忘れやすいからすぐ忘れるかも。キミのことも。』
「っ!!」
ブワッとさっき以上に涙が溢れてきた。
『泣かないで。泣いているキミより笑っている方が僕は好きだな。ね、笑って?』
女の子は涙をグッと堪え、涙目になって、
「ありがとう。」
と、綺麗な笑顔で言った
『うん、そっちの方が魅力的だよ。じゃあね、お嬢サン。』
僕は、ニコッと笑ってそう言った。
そして、路地裏から出た。