私の秘メゴト (仮)
『ごめんごめん。』
「…はあ・・・まったく、今までどちらに?」
『キザなことを言う小さいけど大きな彼女に助けてもらったの。』
「はあ。何をおっしゃってんのか、分かりかねますが…助けてもらった!?」
あ、ヤバ。
『まあ、いろいろあったの。』
女には秘密が付きものよ?
そう言って佐崎を真っ直ぐ見つめる。
「貴女は!!…っなんでもありません。さあ車にお乗りください。」
―――こういうお顔をされる時の悠妃様は絶対に理由をおっしゃらない。
『ええ。』
ふいに空を見上げる。三日月がか弱くだが、強い光がみえた。
まるで、彼女の様に――。
―――ありがとう。本当に。
『この恩は絶対忘れないわ。』
【悠妃END】