私の秘メゴト (仮)




チンッ


よく鳴るエレベーターの音。


エレベーターから降り、305号室へ向かう。


コツコツと僕一人の足音が静かな廊下に響く。



――ここか。


305号室に着き、さっき久遠さんから渡されたカードキーを通す。


ピーッ、カチャッと音が鳴り鍵が開いたことを知らせる。ドアを開けると前方が見えない。


『スイッチ、スイッチはっと……。』


玄関に行きドアを後ろ手で閉めて、壁に手を当ててスイッチを探す。


『あった。』


かちっ


ま、ぶしい


暗闇が一気に明るくなったので思わず強く目を瞑った。

ゆっくりと目を開いたから徐々に慣れてきた。



『綺麗な、廊下だねー。』


そう言い肩に乗っているクウの顎を人差し指と中指の二本で撫でる。


それを気持ち良さそうに目を閉じて耳をたらーんと下げて首を傾けていた。






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