『白雪姫♀♂王子様』
「チッ、駄目か」
俺はタクシーで独り言。
すると陽気なタクシーの運転手がしゃべりかけてきた。
「英語は話せますか?」
「あぁ、あんまり上手くないですけど」
「発音はいいですよ。」
「本当ですか?ありがとうございます」
するとタクシーの運転手は信号機の所で止まり、俺に笑顔を見せた。
「少年は、素直に言えない人だね。
人によっては君の笑顔を悪魔の微笑みと言うかも知れないな」
「えっ・・・・?」
「でも、その笑顔を見たくて、見たくてしょうがないって子も、いるかも知れないよ」
ワケの分からないことを言う運転手に、俺は首をひねる。
「数ヶ月前に、グッタリした、少年と同じような歳の少女を乗っけたんだ」
「はぁ・・・・」
「肌が白くて、まるで童話の白雪姫みたいだった・・・。」