『白雪姫♀♂王子様』
姫様と王子の話
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気まずい。
ホテルの最上階に来たものの。
どーしたらいいのか、全然分からない!!
「あぁ、ごめん。腕掴んだままだった」
「イヤッ!大丈夫!大丈夫だよ」
気まずい。
本当に・・・気まずい。
でも、このままじゃ駄目。
「私に婚約者・・・って聞いて・・・その・・・あの・・・」
「白雪に婚約者がいるって聞いた。そしてそのあと、グッドタイミングで亜季が来た。俺の婚約者と名乗ってな。亜季は、白雪が俺に、婚約者がいる事を知ってる。そう言ったんだ・・・。婚約者がロンドンにいるから、白雪はロンドンに行ったんだよ。そう言っていた」
私たちは、大人たちの手によって、上手くすれ違っていた。
私には婚約者なんていなかったし、紳吾は初恋の人と・・・錯覚させて、私に近づいてきた。
アンナもグルだったんだ。
グルって言い方はよくないかも知れないけど。