『白雪姫♀♂王子様』



陵斗は、私のすぐ近くまで来た。


「えっ……」


「白雪の体温って心地いいな」


私を抱きしめて、陵斗はそう言う。


「好きだなんて、具体的な理由なんか、存在しなくてもいい。…俺はそう思う。」


「……………。」



「好き。理由をあげていくことでは無いと思う。」


陵斗は私から離れて、自分の心臓あたりを叩いた。


「ここで好きの感情が分かれば、それでいいんじゃないか…?」


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