『白雪姫♀♂王子様』



光美はいきなりのお願いに、首を傾けていた。


「いきなり、どうしたの・・・?」



ここで彼の初恋の人を探せば、何か分かるかも知れない。


ロンドンで思い出せないなにかを・・・。



でも彼はニューヨークだったはず。



「一回だけよ。
それが終わって、調子に乗らないようにね」



「分かってます。
本当に、これだけですから」



光美さんが出て行くと、私はSPやらナンやらに電話をかける。



「今すぐに来て。
変わってしまった私を見ても・・・
何も言わないでね。
今、今だけだから」



ただこれは、自分が納得したい材料でしかならない。


でも、それでもいいんだ。


大好きな人の幸せを願う。


それも一つの愛情表現だと思うから・・・。




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