『白雪姫♀♂王子様』
【陵斗Side】
「そうか、あいつは今、ロンドンにいるんだな」
俺はこの言葉を何回言っただろう。
車に無理やり乗せたのは、城阪(きさか)光美。旧姓、皇堂。
つまり、彼女の叔母にあたる人ってワケだ・・・。
ぶっ飛んだ人間もいるものだな。
「陵斗さま。
大変、申し上げにくいのですが・・・」
急に険しい顔になった執事に、俺も真剣な顔つきになった。
「どうした・・・・?」
「お見合いが今週の土曜日に、行なわれるそうです」
まて。
俺には、仮だけど、白雪がいるんじゃないのか?
「俺には、白雪がいる・・・んだぞ?」
愛がある。無いは別としてもだ。
すべての話がまとまるまで、お見合いなんか出来ないぞ!
「実は・・・。」
俺は、執事の言葉に、言葉を失い。
硬直するだけだった・・・・・。
【陵斗Side終】