septcouleur

泉と一瀬だから

席が前と後ろになった。


泉君が前で私が後ろ。



始業式が終わってから泉君に話しかけられた。




「なぁ、美香ちゃんやんな?」


「うん・・・。」



「俺、泉恭祐っていうねん。よろしく!」



「よろしくね、泉君。」



私がそういうと彼は・・・



「あかん!あかん!」

と顔の前で手を振っている。



「何が?」



「泉君やのうて、恭祐や!

 君づけで呼ばれるの俺嫌いやで恭祐ってよんで。」


あー。そういうことか。


「わかった。」



私がそう言うと恭祐はニコって笑った。


八重歯が少し見え、なんだか可愛いなって思った。

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