septcouleur
そんな彼と初めて話したのは、
入学式からちょうど1週間後の雨が降るある春の日だった。
その日は朝から晴れていて、
まさか雨が降るなんて思ってもいなかった私は傘を持っていなかった。
なりゆきでなった代議員の集まりで、
生徒たちが帰る時間はとっくに過ぎており、
かばんをとりに来た私以外は教室に誰もいなかった。
どうやって帰ろうかと思いながら窓の外を眺めていると、
ガラッ
っと音がして神山君が教室に入ってきた。