septcouleur
元カノ
≪愛華SIDE≫
演技なんだからしょうがないのに、巧君が友里香に触るのが嫌だ。
笑い合っている二人を見ていたらなんだかもやもやしてきて胸が苦しくなった。
こんな可愛くないあたしが恥ずかしくて巧君の顔が見れなくて俯いた。
「愛華ちゃん?どうした?」
巧君が心配して顔を覗き込んできた。
なんだか巧君が優しくて自分がもっと情けなくなって涙がこぼれそうになった。
巧君はそんなあたしがみんなから見えないように、みんなとの間にすっと自然に立った。
そしてみんなの方を振り返ると、
「ごめん。愛華ちゃん気分悪いみたいだからちょっと練習抜けるね。
友里花ちゃん、俺今日は早退ってことでよろしく。」
と言い終えると同時に巧君はあたしの肩を抱いて扉の方へ歩き出した。