septcouleur

春

私が初めて恋をした日から、あっという間に時は流れ、


季節は私が彼に出会った春になっていた。




１年前、

新しく始まる生活に期待と不安を抱えながら歩いた学校の前の少し長い坂。

両端にはたくさんの桜が植えられていて、

新入生を祝うかのように見事な花を咲かせていた。





２度目となる春。

私は去年とは違う風景に見えた。



桜はやはり満開で、

そのピンク色の小さな花を太陽に反射させキラキラと輝いている。


１年前は緊張で桜しか見ていなかった。


でも今は・・・




道端の草は時折吹くそよ風に

さわさわ。さわさわ。

と音をたてて揺れている。



小鳥は歌っているみたいにその甲高い声で鳴き、


坂の下に広がる住宅街からは

子供たちの無邪気な声と

お味噌汁の香りがただよってくる。





あぁ。春が戻ってきた。


私の１番好きな季節。



春の訪れは私をわくわくさせる。

どきどきさせる。






１年前の春は私を彼と出会わせた。






今年の春は・・・・