Love Box:)







でも、それじゃだめなのよ。



『ね、つながろう?』

「なに言ってるの。もう繋がってるじゃないか」


また喉をかきむしるあたしを諭すように宥めて微笑む。

あたしの喉は爪痕で真っ赤になっていた。




『息が吸いたい』

「酸素を吸ってるだろ」

『違うの。それでもだめなのよ』


震える声で言うと、たっちゃんがそっとあたしの口を塞いだ。

そして息をした。たっちゃんはあたしのを、あたしはたっちゃんのを。

体の中の空気を全部取り替えた。




「ね、息できないと、みちるは息できるんじゃない?」


舌もからみあっていないくらいに穏やかなそれは口づけというにはお粗末。これは人口呼吸の一種なのかもしれないわね。

たっちゃんはあたしに二酸化炭素を注いで、優しく笑う。



やっぱり苦しかった息は、葺き替えして楽になる。



でも、それじゃだめなのよ。










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